定期的に通う美容室だからこそ出来る予防医療の取り組み【美容師 川端直樹さん】

定期的に通う美容室だからこそ出来る予防医療の取り組み【美容師 川端直樹さん】

予防医療の普及に尽力されている美容師の川端直樹さん。

オンラインサロン「YOBO-LABO」に参加されたのは、ほぼ初期の2018年。以来、美容業界から予防医療の取り組みを盛り上げる「BI・YOBO」プロジェクトのリーダーとして活動されています。

健康な人が定期的に通う場所は美容室なのではないか、その美容室に足を運んだ時に予防についてお伝えできれば、病気から守ることができるのではないかーー

YOBO-LABOのオフ会ではいつも前方の席に座られて熱心にお話を聞かれていたり、イベントの運営スタッフとして積極的に活動に参加されているのが印象的。初めてお会いした時は、明るい髪色で少し長めのヘアスタイルやおしゃれな装いに、YOBO-LABOメンバーには医療従事者の方が多い中で異色の雰囲気を感じました。

なぜ美容師さんが予防医療に取り組まれているのか。

川端さんのお話を聞けば聞くほど「美容師さんだからこそ実現できる予防医療がある!」と納得感が増していきました。こちらでは川端さんのご活動にこめられた想いを深掘りしていきます。

YOBO-LABOではどんな活動をされていますか?

美容院YOBOプロジェクト、通称"BI・YOBO"プロジェクトという、美容と予防のコラボレーションを進める活動のリーダーをしています。

病院は病気になった人が定期的に通う。

健康な人が定期的に通う場所は美容室なのではないか。

その美容室に足を運んだ時に美容師が予防についてお伝えできれば、お客様を病気から守ることができるのではないか。そう考え、このプロジェクトを開始しました。

2020年のホリエモン万博にて。3列目中央で風疹予防のポスターを掲げているのが川端さん。プロジェクトでのご活動以外にも、コロナでリアルイベントが中止になるまでは、オフ会にやイベントにはほぼ常連でご参加されていらっしゃいましたよね。いつも医療従事者のYOBO-LABOメンバーや協会理事の先生方と積極的にお話されていらっしゃる姿が印象に残っています。
2020年のホリエモン万博にて。3列目中央で風疹予防のポスターを掲げているのが川端さん。プロジェクトでのご活動以外にも、コロナでリアルイベントが中止になるまでは、オフ会にやイベントにはほぼ常連でご参加されていらっしゃいましたよね。いつも医療従事者のYOBO-LABOメンバーや協会理事の先生方と積極的にお話されていらっしゃる姿が印象に残っています。

美容師としてのご活動を教えてください。

埼玉県さいたま市にある美容室【Nennen(ネネン) - hair & prevention】を経営しています。

予防医療✖️美容をテーマとして2019年6月にオープン。

「永くおしゃれを楽しめるサロン」として、「健康美容」をコンセプトに活動を行なっています。

名前の「Nennen(ネネン)」はドイツ語で「名前をつける」という意味です。

大切な物には名前をつける。お客様とそんな関係でありたい、という思いをこめました。

「hair & prevention」は、髪と予防を意味しています。

ロゴの羊について、羊の鳴き声は「メーメー」→命名→羊、という親父ギャグです(笑)。

川端さんが経営される美容室【Nennen】の外観
川端さんが経営される美容室【Nennen】の外観

"美容室での予防医療"とはどのような活動でしょうか?

ピロリ菌の検査キットを会話の発端として、お客様に予防医療についてお伝えする機会をつくっています。

視界からお客様に興味を持っていただければいいなと思い、美容室内にピロリ菌の検査キットを置いています。

検査キットが美容室に置いてあるのは違和感がありますよね。それをうまく利用して、「なぜ?」と興味を持ってもらえるように工夫しています。お客様から質問をいただければ、ネネンでの活動内容や予防医療の重要性についてお伝えするきっかけになると考えています。

実際質問をいただけると、お客様の方から、美容とは違う、健康に対する不安や予防への意識などについてもお話いただき、会話の間口が広がっていきます。

こうした会話をカラーリングの待ち時間などにできると、お客様と良い時間を送れますね。

ご興味をお持ちいただいたお客様には、検査キットの販売もしています。ピロリ菌の検査キットと、子宮頸がんを引き起こすリスクのあるヒトパピローマウイルス(HPV)の検査キットを取り扱っています。

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実際に活動してみてお客様の反応はいかがですか?

自分とお客様の健康意識にギャップを感じることがあります。予防医療の知識については、まだまだ知らない方が多い気がします。

例えばピロリ菌の検査。

健康診断でも、ピロリ菌の検査はオプションなので、そこまで手を出していない方が多いです。ピロリ菌の名前は知っているけど、胃がんにつながることを知らない方もいます。

30代や40代の方は知らない方が多い、それより上の方はやや意識されている印象です。

ただ、予防への意識づけは20代、30代くらいの若いうちから始めることが重要です。

お客様と美容師の関係性は、他にはない特殊なものと考えています。

ただ髪を切っているだけに見えるかも知れませんが、例えば医師やアパレル店員などとも違う、お客様との信頼関係を築けています。

この信頼関係がベースにあるからこそ、お伝え出来ることがあると思います。

これからの活動について目指すところを教えてください

「美容室=髪の毛」という概念を壊そうとしています。

美容室で健康相談もできてしまう将来が理想です。

美容師のルーツは外科医。

外科医が分離し、外科医と予防外科医になった。予防外科医から理容師と美容師が生まれています。

ルーツを辿れば、もともと病気を予防するのは美容師の役目。なので、「仕事を全うしよう」という意識づけのスターターになっていきたいです。

他の美容室にもこの活動を波及させたいですが、まずは成功モデルづくりから始めなければと思っています。予防医療に取り組むための、美容室に対するインセンティブが必要です。

美容業が潰れる発端は、戦争と病気の二つだと考えています。なので存続には平和と健康が大きなテーマとなります。

戦争は自分の力ではどうにもできない。でも健康はどうにかできる。

人生100年時代といわれる中で、お客様に長く健康でいていただければ、少子化の時代でも美容室に足を運ばれる方の数は大きく変わらないのではないか。

なので、「お客様を病気にさせない」ことで、長期的に美容室の利益につながるはずだと考えています。

道のりはまだまだ長いです。

予防医療に向き合い始めたきっかけは何でしたか?

美容師になりたての頃に可愛がってもらっていたお客様が、がんで亡くなってしまったことがきっかけでした。親子で来てくださっていたお客様で、娘さんからそのことを聞きました。

がんだとは知っていたけれど、当時は何の知識もなかった。

自分にも何かできなかったのか・・・

知識も守る力もない自分に苛立ちを覚えました。

こう考えるうちに、これからのお客様に対して、治療はできないが、病気にならないようにすることはできるのではないかと考えました。それで予防に対する意識が高まり、今に至っています。

YOBO-LABOでは、お客様から頂いた質問を、そのまま先生に問いかけることができる。そして回答を得られます。色々な先生とつながることができたのは有意義でした。

最後に一言お願いします!

予防医療を取り入れた新しいサロン

可愛がっていただいていたお客様ががんで亡くなり、無力だった自分に苛立ちを覚えた、、、

知識もない、守るチカラもない。

治すことはできない。

でも、僕だからできることがあるんじゃないか?

それが「予防医療」への一歩

これからも継続して、動いていきます!

川端さん、素敵なSTORYをありがとうございました!

川端さんが代表を務められる美容室はこちらです。

YOBO-LABOメンバーでも何人か行かれていて、「こちらのマイクロバブルという技術で髪の毛と地肌をきれいにしてもらって、髪の毛がツヤツヤ・サラサラになった!」との声が個人的に気になっています(笑)。雑誌non-noでも「実力派ビューティスポット大集」として掲載されるほど。(2021年1月号)ぜひ足を運んでみてください^^

【文 倉光めぐみ】