"ワクチン未接種世代"の40-50代男性に届けたい、風しん予防の話

"ワクチン未接種世代"の40-50代男性に届けたい、風しん予防の話

2月4日は「風しんの日」です。

この日をきっかけに、風しんとその予防について考えてみたいと思います。

日本での感染が拡大しているこの病気。

感染すると発熱や発疹などの症状が見られるウイルス性感染症です。

怖いのは、妊娠20週頃までの妊婦さんが感染すると、生まれてくる子どもに先天性障害が起こる可能性が高くなること。

ワクチン接種で予防可能な風しん。

感染拡大を止める鍵を握るのは、一度も予防接種の対象となっていない昭和37(1961)年~昭和53(1978)年度生まれ、現在40〜57歳の男性です。

今回は、そんな風しんの予防をテーマにお届けしていきます。

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風しんとはどんな病気なのか

風しんは、インフルエンザより強い感染力をもつ、ウイルス性感染症です。

感染すると、発熱や発疹、リンパ節の腫れなどの症状が現れます。子どもが発症しても、症状は比較的軽いといわれています。一方で大人の場合は、発熱や発疹の期間が長く、関節痛の症状が強くでることがあります。

風しんが怖いのは、妊娠中の女性が感染した場合、胎児に影響がでること。

妊娠20週頃までの初期段階で妊婦さんが感染した場合、死産や先天性風しん症候群(Congenital Rubella Syndrome: CRS)の状態で子どもが生まれてくる可能性が高くなります。

先天性風しん症候群は、胎児の先天性障害の重大な原因となります。三大症状は先天性心疾患、難聴、白内障です。それ以外にも、発育遅延、精神発達遅延、血小板減少、糖尿病など、広く影響する可能性があります。

妊娠20週以降では異常なしであることが多いと報告されています。

注意したいのは、風しんに感染しても、15〜30%程度[1] の方には何も症状がでないこと。症状の有無にかかわらず、風しんのウイルスは妊婦さんや胎児に影響を与えるリスクがあります。

妊娠を望む女性はもちろん、男性も含む周囲全体で、ワクチン接種で風しんを予防しましょう。

日本の風しん発症者数は世界で3番目に多い

2018年から感染が増え始め、2019年の風しん発症者数は、中国とインドに次ぐ世界第3位。その他トップ10の国々は以下の表の通りです。

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WHOのデータを参照しています。日本国内機関のデータと差異がある可能性があります。

日本では、2013年に約14,300人発症の流行以来、2017年までは減少傾向が続いていました。

しかし、2018年から感染者が増加。月別の感染者数を2018年1月から見てみると、2019年から急激に増加しているのがわかります。

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25歳以上の発症が多く、男性の比率が圧倒的に多い

男性の発症率は女性の約3.5倍にものぼります。風しんの発症数を年齢、性別ごとにみると、以下のような分布となっています。

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男女での感染率の差は、予防接種の制度が年代により異なるためです。

風しんのワクチン接種は、妊娠時の感染による先天性風しん症候群を防ぐ目的で始まったため、男性全員へのワクチン接種開始は1995年からでした。

風しんの予防接種制度を年代別にみると、以下の表のようになっています。2020年4月2日時点でのご自身の年齢に当てはめて、どこに該当するか見てみてください。

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注意が必要なのは、接種制度があっても受けていない可能性があること。

ご自身に抗体があるかどうかは、母子健康手帳などの接種記録を確認するか、病院で抗体検査を受けて確認してください。

まずは抗体検査を、それからワクチン接種を

風しんの感染拡大を止めるため、厚生労働省はこのような方針を発表しています。

👉

特に抗体保有率が低い昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれ(令和元年度40歳から57歳)の男性に対し、① 予防接種法に基づく定期接種の対象とし、3年間、全国で原則無料で定期接種を実施② ワクチンの効率的な活用のため、まずは抗体検査を受けていただくこととし、補正予算等により、全国で原則無料で実施③ 事業所健診の機会に抗体検査を受けられるようにすることや、夜間・休日の抗体検査・予防接種の実施に向け、体制を整備

対象者の男性には、こんなクーポン[2] が送られてきます。受け取ったら、まずは対応可能な医療機関に連絡し、抗体検査を受けてみましょう。

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対象の医療機関は厚生労働省のウェブサイトから確認できます。

#止めるぞ_風しん 、#ゼロチャレに参加しよう

40-50代の男性にワクチン接種を促し、日本から風しんをゼロにするための啓発プロジェクト、「風しんゼロチャレンジ」が始動しています。

抗体検査、ワクチン接種に行った体験談などをSNSに投稿し、このプロジェクトに参加することで、風しん予防の輪を広げることができます。

予防医療普及協会の理事を務める、ホリエモンこと堀江貴文さんも、この活動に参加しています。

風しんゼロへ、風しん性先天性障害をもって生まれてくる子どももゼロへ。

一緒に取り組みましょう!

📢

一般社団法人予防医療普及協会が運営するオンラインサロン「YOBO-LABO」では、予防医療普及協会所属やYOBO-LABO所属の先生から、直接予防に関する知識を学ぶことができます。ぜひ学びたいという方や、情報を発信されたい方のご参加をお待ちしております!

出典

[1] 国立感染症研究所 「先天性風疹症候群に関するQ&A (2013年9月)」

(https://www.niid.go.jp/niid/ja/crsqa.html)

[2] 厚生労働省「風しんの追加的対策について」(https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000553927.pdf)